建築の力

建築の力

それは ”言葉の力” に通じているように思います。

人間が自分の行動や選択を決められるという”自由意志”は、脳が作り出した一つの「幻想」であるという説が存在し、
脳科学の世界では”言葉”には「幻想」を生み出す力があり、人々は その「幻想」に一喜一憂して社会を動かすそうです。

私が建築を志したきっかけの一つとなる我が師の設計作品:代々木総合競技場
そこに「建築の力」というものを感じました。

建築も同様、「幻想」を効果的に見せる存在でもあると同時に、人々の行動を誘導する力を持っています。

 

この躍動感のあるカタチは、ワクワクするような期待を抱かせてくると同時に
一度に大勢の人が利用する2方向からの主要動線を巧みに捌き、行動を誘導する機能的な意味も併せ持っています。

建築の力は、
時として権力者にプロパガンダとして利用されたりする側面を持ち合わせている双刃の剣でもありますが、
人々の夢の実現に寄与することを目的に創造し続けたいものです。

 

この代々木総合競技場との出会いが設計者である恩師:神谷宏治先生との出会いへと繋がったのですから、建築の力とはすごいです。

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

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前田 敦の専門性について

執筆・監修・報道・取材