OUTLINE スロープの家・SPIRAL COURT

スロープの家 犬と暮らす家(ペット共生住宅)

⬆︎スロープの家・SPIRAL COURT エントランス    Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎スロープ形状がそのまま外観に現れたスロープの家・SPIRAL COURT  Photo by Hiroyuki Hirai

 

 

PROCESS 設計関連(土地探しから設計まで)

スロープの家の建てたい(漠然と愛犬と快適に暮らせる空間って何だろう?)

愛犬:トイプードル2匹と鎌倉市内に建てたペット共生住宅「スロープの家シリーズ PART1」です。

たまたま鎌倉に遊びに行った直後にお役様からメールをいただいたので、お参りしたご利益があったのでしょう♪

前略・・・ペット仕様の賃貸マンションで2頭のトイ・プードルと住んでいましたが、広さが足りず窮屈に感じるようになり、家族みんなが快適に暮らせる家を建てようかと思ったことがスタートです。
漠然と愛犬と快適に暮らせる空間って何だろうと思いながら、Webで調べているととても興味深いプランに出会いました。それが前田さんの提案されている「スロープの家」です。あらゆる面でペットとの暮らしを考え抜いているプランに衝撃を受けました。あれ、この広さっていつも散歩している近所の売出し中の土地ぐらいかと思い、サイトにアップされていた図面を当てはめるとぴったりとはまる感じで「これだっ!」と確信しました。
さっそく設計者の前田さんに連絡をとり、その土地で実際に「スロープの家」が成立するかどうか?をチェックしてもらい、理想の家が実現しそうだということで土地の購入を決めました。土地探しの段階からプロの建築家にサポートを受けるのは心強かったですね。・・・後略

サイト内「住まい手の感想」より

「住まい手の感想」にあるサイトにアップされていた図面が下記のものです。
誌上コンペに応募した際に作成した図面を縮尺を調整して、自ら検討されたのだと思います。

スロープの家 プロトタイプ

候補となっていた土地情報が下記のものになります。

土地探しから建築家と

オファーをいただき、すぐに法規制等を確認するために「いざ鎌倉!」
現地調査と市役所等へ行政調査を行いプランを検討すると、この敷地でご希望のスロープの家が成立することが分かりました。
その旨を伝え、土地購入手続きの段階から建築主様と不動産屋さんとの契約交渉のサポートとして参加させていただき、トントン拍子で土地の購入が終わり、設計に着手となりました。

当初伺った予算に収まる条件で、ファーストプレゼンテーションです。
初期案は屋上ドッグランまでスロープで連絡した提案です。

スロープの家

スロープの家

中庭を囲むように、1階にDK、半地下にシアタールーム、サニタリー、バスルーム、1.5階には主寝室と書斎という構成をスロープで連続させる設計案です。
とても喜んでいただいたのが今でも記憶に残っています。

プランについての要望は、「コストがアップしても良いので、客間を用意してほしい。」という1点

早速、ご要望に合わせてプランを改善し、その方向で設計を進めることになり、基本設計が終了です。

 

埋蔵文化財が見つかり、設計変更

鎌倉幕府が置かれていた鎌倉の市街地は、鎌倉時代の埋蔵文化財がいっぱい眠っています。

そのため、敷地内埋蔵文化財の有無を調査するために試掘を行うことになります。

鎌倉市教育委員会の委託を受けた調査員の方が、敷地内の特定の範囲を掘り始めます。

65cmほど掘った場所で「遺構:鎌倉時代の溝の跡」が見つかり、設計業務進行に黄色信号が!

・教育委員会の調査を待つと2年かかる

・民間の調査機関に委託すると高額は費用負担が発生する

何れにしても、家づくりには不利な状況でした。

そこで、教育委員会と交渉し、杭や基礎の定番が60cm以内であれば、そのまま工事しても良いとのことになったので、

半地下をやめ、基礎形状を変更したプランを再度つくり直し、実施設計と申請業務を進めることができました。

 

少し、ボリュームが大きくなりましたが、法規制の範囲内で理想の空間構成が実現しています。

スロープの家 模型

⬆︎埋蔵文化財保護を目的に半地下をやめたためにエントランスに傾斜の緩い階段を設置

⬆︎外部からバリアフリーに入れるように勝手口はフラットな位置に設置

⬆︎中庭を囲むようにスロープが配置されている特殊な空間構成

 

建築模型(空間構成)

空間構成をわかりやすくするために作成した、外壁を透明にしたモデルです。

プロトタイプをそのまま形にしたもので、中庭を挟んだ半階づつずれた2つのブロックがスロープで連絡されており、原型にさらに一層重ねたフロア構成になっています。

 

 

Process

実施設計もまとまり、金額調整も済ませ、工務店も決まって、めでたく工事契約に着手しました。

工事契約には設計者も管理者として工事契約書に調印します。

この手続きによって、建築主から依頼を受けた監理者として、工事施工者に対して監理を行うことになります。

 

工事契約

⬆︎工事契約(設計者も立ち会い滞りなく締結)  Photo by atsushi-maeda

地鎮祭

⬆︎地鎮祭(鶴岡八幡宮)  Photo by atsushi-maeda

基礎配筋検査

⬆︎基礎配筋検査  Photo by atsushi-maeda

基礎コンクリート打設

⬆︎基礎コンクリート打設  Photo by atsushi-maeda

上棟

⬆︎上棟  Photo by atsushi-maeda

⬆︎躯体工事  Photo by atsushi-maeda

中間検査

⬆︎建築審査機関による中間検査(構造体や断熱材のチェック)  Photo by atsushi-maeda

ボード張り

⬆︎内装プラスターボード張り  Photo by atsushi-maeda

珪藻土塗り

⬆︎珪藻土塗り(臭気対策、調湿効果)  Photo by atsushi-maeda

シンボルツリー選び

⬆︎造園業者さんの農地にて、シンボルツリーの選定  Photo by atsushi-maeda

施主検査

⬆︎ワンちゃんにも参加してもらった施主検査  Photo by atsushi-maeda

 

 

愛犬と快適に暮らすのための工夫

目線の高さに配慮

コミニュケーションの基本は目線の高さを合わせること

これは人も犬も同じだと考えています。

ただ、人からは容易に目線の高さを合わせることができますが、

犬からも目線の高さを合わせることができるように、スキップフロアの段差を活用して空間を設計しました。

 

愛犬の目線に配慮した家づくり

⬆︎スキップフロアの段差を生かした愛犬目線の工夫  Photo by Kenji Sugita

愛犬から目線を合わせることができるスキップフロア

⬆︎愛犬の方から目線を合わせることができるスキップフロアの空間構成  Photo by Kenji Sugita

愛犬の目線で送迎

⬆︎愛犬の目線で飼い主さんの送迎  Photo by Kenji Sugita

愛犬の目線で送迎

⬆︎駐車場の飼い主さんを小窓の向こうから愛犬が送迎  Photo by Kenji Sugita

 

サニタリー

人用洗面台と愛犬シャンプー台

⬆︎人用洗面台(左)と愛犬シャンプー台(右)  Photo by Kenji Sugita

背筋が伸びた状態でシャンプー

⬆︎腰への負担が少ないように背筋を伸ばしてシャンプーができる洗面台  Photo by Kenji Sugita

伸びる水栓

⬆︎水栓が伸びるタイプの洗面台  Photo by Kenji Sugita

ペットドア

⬆︎サニタリーには自由に出入りさせるためのペットドア(安全性の高いポリカーボネート製)  Photo by Kenji Sugita

ペットトイレ

⬆︎隣接するペットトイレは換気扇付で軽耐水性  Photo by atsushi-maeda

 

ON OFF

on

⬆︎いつもはペットも自由に入れる開放的な個室  Photo by atsushi-maeda

off

⬆︎病気の時や一人になりたい時は4連引戸を閉じてプライバシーを確保  Photo by atsushi-maeda

 

中庭

中庭を囲むスロープの家(犬と暮らす家)) 

⬆︎愛犬の逃亡を防ぐ中庭は快適なドッグランになります。

中庭を囲むスロープの家(犬と暮らす家))

⬆︎スロープの2重壁が周囲の騒音や犬の鳴き声を遮断します。  Photo by Hiroyuki Hirai

中庭を囲むスロープの家(犬と暮らす家)

⬆︎夜間でもカーテン不要な中庭に面する窓  Photo by Hiroyuki Hirai

中庭を囲むスロープの家(犬と暮らす家)

⬆︎ウッドデッキの段差にもスロープを設置  Photo by Hiroyuki Hirai

周辺環境から守られた安全安心空間:中庭

⬆︎周辺環境から守られた安全安心環境の中庭  Photo by Kenji Sugita

真夏の日差しはオーニングで調節

⬆︎真夏の陽射しはオーニングで調整  Photo by Kenji Sugita

夜はシンボルツリーをライトアップ

⬆︎夜間はシンボルツリーをライトアップ  Photo by atsushi-maeda

 

スロープ

スロープの家(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎太陽光が演出するスロープ  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎間接照明が演出するスロープ  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎長いスロープには天井や壁面で変化を与えてシークエンスを楽しめるように配慮  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎人の目線に合わせた窓と愛犬の目線に合わせた窓を併設  Photo by Kenji Sugita

スロープの家(程よいグリップのカーペットタイル)

⬆︎愛犬が安全に走り回れるようにスロープの床は程よいグリップ感のあるカーペットタイル(カットパイル) Photo by Kenji Sugita

スロープの踊り場となる廊下はギャラリー

⬆︎スロープの踊り場となる廊下はギャラリー Photo by atsushi-maeda

スロープの家 ギャラリー

⬆︎スロープの踊り場となる廊下はギャラリー  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家(スロープは途切れることなく連続させる)

⬆︎屋内から屋外のウッドデッキまでスロープは途切れることなく連続  Photo by Hiroyuki Hirai

 

 

中庭を囲んだ部屋

スロープの家SPIRAL COURT LDK(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎スロープで囲まれた中庭と一体化したLDK  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家SPIRAL COURT LDK(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎スロープで囲まれた中庭と一体化したLDK  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家SPIRAL COURT LDK(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎スロープで囲まれた中庭と一体化したLDK  Photo by Hiroyuki Hirai

スロープの家SPIRAL COURT LDK(犬と暮らすペット共生住宅)

⬆︎オープンキッチンの背後には安全性を確保した扉付パントリー  Photo by Hiroyuki Hirai

 

 

 

建築概要

名  称:スロープの家・SPIRAL COURT

所在地 :神奈川県鎌倉市(愛犬家住宅)

敷地面積: 179.95㎡(54.43坪)

建築面積: 85.89㎡(25.98坪)

延べ面積: 152.03㎡(45.98坪)

構造規模:木造(在来工法) 2階建

主要用途:一戸建ての住宅

 

 

関連リンク

works:スロープの家・SPIRAL COURT

紹介記事:RENONAVI

紹介記事:fomify日本