60代からの家づくり(間取り)

子供達も巣立ち、仕事もほぼリタイヤし、趣味や拘りを活かした家づくりをしたい!という

団塊の世代と言われる人達のセカンドライフのための家づくりが増えてきたように思います。

 

事例1

複数世帯のものもありますが、夫婦二人の単世帯でそれぞれが適度な距離感を保ちながら人生のパートナーとして共に生きるタイプの家づくりです。

それぞれの書斎、それぞれの収納を確保しつつも、セカンドリビング等の交流空間も併設しています。

健脚のご夫婦のために敢えてエレベーターは設置せず、万が一必要になったときに取付けることができるように配慮しています。

 

事例2

2世帯、3世帯住宅として、子供や孫の世代との生活を選択されるケースも多く見受けられます。

親世代の住宅部分は基本的には1階だけでも最低限の生活できる状態を確保し、
万が一 要介護の場合に備え、1階の子世帯のLDKへの連絡を可能にしています。

 

 

事例3

共通の趣味であるアウトドアライフ
その実現のために都心を離れ、山間部へ移住を決められたご夫妻のための家の計画です。

共通の楽しみとは別に、個別の趣味も楽しめるようにそれぞれ別に書斎を設け
ご主人の活動に対応した屋根付の屋外作業スペースも用意しています。

時々遊びにくる子世帯家族のために客間も用意しています.

斜面上部が近々道路として整備されるために、2階の居室ゾーンへ直接アプローチが可能になるために、エレヴェーターは用意していません。

 

事例4

加齢とともに増えるのが“モノ”
そのためにどうしても収納量を確保しなければなりません。

新築、リフォーム時には溢れるモノを整理、処理する最高の機会なのですが、どうしても捨てられないという方が多いのも事実です。

通常、2年以上使わないモノは不要なモノだそうですが、
そのようなモノにも想い出が詰まっているから・・・
またいつか使うかもしれないから・・・
という理由で捨てたくないというケースがほとんどで、まさにタイムカプセル的存在と化しているようです。

我が家の母もそうですが、どうしても捨てられないようです。

そんなときにお薦めなのが「小屋裏収納」
季節によって使い分ける収納は比較的出しやすい場所に用意し、
奥まった場所にはタイムカプセル的存在をストックすると良いでしょう!

小屋裏収納へのアクセスは荷物の出し入れが発生するので
梯子ではなく、階段にしてあげることが大切です!

 

事例5

風光明媚、温泉利用の暖かい場所

60代はそんなリゾートエリアの土地を買い求め、そこでセカンドライフをエンジョイしようという世代でもあります。

伊豆の温泉が使える権利を有した分譲地の計画ですが、最大7mの高低差のある傾斜地なので、視線を遮る物がなく素晴らしい眺望が確保できる環境です。

アプローチフロアからフラットにアクセスできるメインフロアで生活できる空間構成とし、その下に子供達や来客が宿泊できる個室を用意しています。

傾斜地は、基礎部分にコストがかかってしまいますが、基礎部分を部屋として活用することで効率よく計画をまとめることが可能です。

 

 

前田敦・前田敦計画工房

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

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前田 敦の専門性について

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