ペット共生住宅の基礎知識(空間のゾーニングと広さ)
ペットと一緒に暮らすことは、飼い主にとって大きな喜びや癒しを与えてくれます。
しかし、ペットと一緒に暮らすためには、適切なスペースや空間レイアウトについての工夫が必要です。
ペット共生住宅に必要な空間の大きさやレイアウト、スペースを有効に使うコツ、注意点などについて詳しく解説していきます。
ペットとの暮らしをより快適にするための情報を提供し、飼い主とペットの共生をサポートすることを目指しています。
ペット共生住宅のゾーニング
ペット共生住宅を作る際には、ペットの種類や性質を把握することも大切ですが、飼い主がペットとどういう関係を築いて生活するのかを決めることが先決です。
家中を自由にさせるのか? ペットに入ってきて欲しくない空間があるか? 就寝時にはペットと一緒なのかどうか?・・・こういったことを整理することが大切です。
図のように、1)ペット立入規制ゾーン 2)飼育者監視付フリーゾーン 3)フリーゾーン の三つに分けて、自分の生活において、どの部屋・どのスペースがそのゾーンに該当するかを決めていきます。
そうすることで、区画や必要な空間の配置を整理することができます。
ペット共生住宅に必要な空間の大きさ
ペット共生住宅において、ペットが快適に暮らすためには、適切なスペースが必要です。
ただし、ペットの種類によって必要なスペースの違いがあります。
以下では、一般的なペットである犬・猫を例に、必要なスペースの目安と飼育スペースとして確保すべき最低限のスペースについて説明します。
ペットの種類によって必要なスペースの違い
ペットの種類によって必要なスペースの違いは大きく異なります。
たとえば、小型犬や猫の場合は、小さなスペースでも過ごせますが、大型犬やウサギなどの場合は、広いスペースが必要になります。
また、犬の場合は、飼育スペースに加えて運動スペースも確保する必要があります。
犬・猫などの一般的なペットの必要スペースの目安
一般的なペットである犬・猫の場合、以下の目安があります。
犬の場合
- 小型犬(チワワやトイプードルなど):1匹あたり専用スペース 0.5〜1平方メートル程度
- 中型犬(シバや柴犬など):1匹あたり専用スペース 1〜2平方メートル程度
- 大型犬(ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなど):1匹あたり専用スペース 2〜4平方メートル程度
ただし、これらはあくまでも目安であり、犬の場合は個体差や年齢によっても異なります。
以上が参考となる平面的な広さのデータになります。
空間的には高さという重要な要素が含まれていますので、最適な天井高さを提供することが重要です。
ペットがくつろぐ寝床等の天井高さペットの目線の高さの1.5倍程度が最適です。
つまり、目線の高さが30cmの場合には45cmとなります。
”狭い!”と思われるでしょうが、
睡眠やくつろいでいるときは無防備状態なので、穴倉のように身を包んでくれるような広さの方が、むしろ安心感を感じているので、オススメです。
その習性を活かして、空間有効に利用するためには、寝床やペットトイレの上部を収納にしたり、カウンターにすると効果的です。
↑スキップフロアの段差を利用したペットスペースの例
↑スロープの下を活用したペットスペースの例
↑上部をペットグッズの収納にしたペットスペース
猫の場合
1匹あたり専用スペース 1平方メートル程度
また、猫の場合は、上下動を可能とするスペースを確保することも重要です。
この立体的な動線上に「水飲み場」や外部を眺めることのできる「猫窓」を用意してあげると喜びます。
↑キャットステップと水飲み場と猫窓
まとめ
ペット共生住宅に必要な空間の大きさやレイアウト、スペースを有効に使うコツ、注意点について説明してきました。
ペット共生住宅は、飼い主とペットが快適に過ごすために慎重な準備が必要であることがわかりました。
ペットの種類によって必要なスペースや、飼育スペースとして確保すべき最低限のスペースを知ることが重要です。
そして、最も大切なことは、飼い主がペットとの生活を楽しむための工夫や責任を持つことです。
ペット共生住宅を快適に過ごすために、上記のポイントを参考にして、ペットとの共生を実現しましょう。