建築家とつくる 犬と暮らす家

建築家とつくるメリットの一つに「自由なプランによるきめ細やかな対応」があります。例えば、ハウスメーカーの場合には「スロープの家」のような家は既成工法や既成部材で対応できないので、注文住宅といえど対応してくれないのです。また、「犬と暮らす家」と題した間取りや工夫のマニュアルや解説本も多々ありますが、自分達のケースに置き換えた場合に、具体的にどうしたらいいか?、何から手をつけたら良いのか?そんな疑問が湧いてきます。

建築家とつくる家の場合には、マニュアルはありません。住み手と愛犬の関係、飼育の方法、愛犬の癖、現在の住まいでの改善点等についてお話を伺い、それに応じた対応を過去の経験や知り得た知識を駆使して提案してくれるのです。

以前、大手ハウスメーカーから「犬と暮らす家」のモデルプランを作成して欲しいというオファーをいただいたことがあります。しかし、建主も愛犬もみんな異なるので、決めの細やかな対応ができるように全国の営業担当者と設計担当者への意識改革という条件をつけたところ、そんな対応はできないとのことでお断りをさせていただいたことがあります。ちょうど、私が講師を務めたセミナーの時に「犬のためにそんなことはできない!と言われ、希望した対応をしてくれない。」という相談(苦情)を多々伺ったことがあったので、家づくりに関わる担当者の意識改革がとても大切なのだと思いました。

私が設計監理を引き受けた際には、工事関係の方に「犬と暮らす家、猫と暮らす家」での愛犬や愛猫と暮らすこととはどういうことかを説明させていただき、ペットと暮らす工夫を形にすることの重要性をしっかりとレクチャーすることにしています。そうすることで工事関係者からも現場での工夫について相談されたりします。例えば、リードフック一つにしてもビスの補強や取付け位置について相談されることで具体的に指示ができるので丁寧な施工が可能になります。

自分たちのライフスタイルにフィットした世界に一つしかない「犬と暮らす家」、「猫と暮らす家」、「こだわりのある家」は建築家と一緒につくりあげることがお勧めです。

 

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著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

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