ペット共生住宅の基礎知識(スロープの効用)

スロープの家 犬と暮らす家

 

ペットを飼う人にとって、住まいの環境はペットの健康やストレスレベルに大きな影響を与えるため、注意が必要です。

具体的には、スロープの設置や安全な空間の確保など、ペットにとって快適で安全な住環境を整えるための工夫やデザインのポイントを紹介します。

また、ペット共生住宅の建築プロセスや維持管理の方法、費用の目安についても解説します。ペットと共に生活するための参考情報を提供し、快適で幸せなペットライフをサポートします。

 

 

ペットがストレスを感じないための住まいの工夫

ペットがストレスを感じないような住まいを提供することも大切です。

ペットがストレスを感じると、行動や健康に悪影響が出ることがあります。

以下に、ペットがストレスを感じないための住まいの工夫をいくつか紹介します。

 

適切な空間の提供

ペットにとって居心地が悪い場所には居住させないようにします。

例えば、ペットが騒音や振動に敏感な場合、騒音の多い場所や鉄道沿いの住宅などには住まわせないようにしましょう。

また、ペットが運動不足になる場合や適切なスペースがない場合も、ストレスを感じることがあります。

ペットが十分な運動や自由な行動を取れるよう、適切なスペースを確保することが大切です。

 

適切な社交場所の提供

ペットは社交的な生き物であり、他のペットや人との交流が必要です。

ペットが孤立してしまうと、ストレスを感じることがあります。

ペットが他のペットや人と交流できるスペースを提供することで、ストレスを軽減することができます。

 

ペットの好みに合わせた設備の提供

ペットにとって快適な環境を提供するためには、ペットの好みに合わせた設備を用意することが必要です。

例えば、猫の場合は高い場所が好きなので、キャットタワーやキャットウォークを設置することができます。

また、犬の場合はおもちゃやベッドを用意することができます。

ペットが自分の好みに合わせた環境で過ごせることで、ストレスを軽減することができます。

 

ペットの行動を観察すること

ペットの行動を観察することで、ストレスを感じているかどうかを把握することができます。

例えば、ペットがしきりに鳴いたり、くり返し同じ場所を歩いたりする場合、ストレスを感じている可能性があります。

ペットがストレスを感じている場合には、適切な対処を行うことが大切です。

 

 

以上が、ペットがストレスを感じないような住まいを提供するための工夫についての紹介です。

ペット共生住宅に住む場合には、ペットが快適に過ごせるような環境を整えることが必要です。

 

 

スロープの効用とは?

犬と暮らす家 スロープの家・SPIRAL COURT06

 

スロープとは、傾斜がある道路や階段のことを指します。

スロープを設けることにより、段差が少なくなり、歩きやすくなるため、高齢者や身体障害者、子供やペットなどにとっても安全で快適な移動ができるようになります。

 

スロープの機能と意義

スロープを取り入れることで、以下のような機能と意義があります。

・段差が少なくなるため、高齢者や身体障害者、子供やペットなどにとって移動がしやすくなる
・車いすやベビーカーなどの利用者もスムーズに移動できる
・防災上のメリットがある(地震時に、家族やペットを助けるための逃げ道として使える)
・デザイン性が向上する

 

スロープを使った住まいのメリット

スロープを取り入れた住まいのメリットは、以下の通りです。

・高齢者や身体障害者、子供やペットなどにとって、移動がしやすい
・車いすやベビーカーなどの利用者もスムーズに移動できる
・防災上のメリットがある ・デザイン性が向上する
・バリアフリー住宅として、価値が上がる

 

スロープを取り入れたペット共生住宅のデザインのポイント

ペット共生住宅においては、スロープを使ったデザインを取り入れることで、ペットが快適に生活できる環境を整えることができます。

具体的なデザインのポイントは、以下の通りです。

・住宅内の段差を少なくする
・ペットが自由に出入りできるように、スロープを玄関に設置する
・ペットが遊びやすい空間を作るために、庭にスロープを設置する
・ペットが運動するためのスペースを作るために、屋上やバルコニーにスロープを設置する

 

以上が、スロープの効用や機能、意義、住まいへの取り入れ方についての説明です。

 

スロープを取り入れることで、ペット共生住宅の快適性や健康面を向上させることができる、スロープの効用は多岐にわたります。

スロープを取り入れた住まいは、ペットがストレスを感じることなく移動できるため、ペットが心地よく過ごせる住環境を提供することができます。

また、スロープはペットが健康的な運動をすることができる場所となり、ペットが健康であることが住まい全体の快適性にも影響を与えます。

 

いぬのきもちNEWS LINE 2023年3月14日版では「いぬのきもち獣医師相談室の獣医師:岡本リサ先生は次のようにお話しされています。

――愛犬の老化を早めないために、飼い主さんが日ごろからすべきことはありますか?

岡本先生:
「なるべく後肢の筋肉の衰えがゆっくりになるよう、傾斜が緩やかな坂をゆっくりと上ったり、室内でベッドやクッションなどふかふかしたものの上を歩かせたりするとよいでしょう。

引用:いぬのきもちNEWS LINE 2023年3月14日版 愛犬の老化対策で日頃からすべきことは?

つまり、室内にスロープが用意されたスロープの家は、犬の老化防止にも効果的だということがわかりました。

 

 

スロープを取り入れた住まいのメリットは、ペットだけでなく飼い主にもあります。

例えば、高齢のペットや障がいを持つペットがいる場合、スロープを設置することで、ペットが自由自在に移動できるようになり、飼い主も安心してペットと暮らすことができます。

スロープの家のオーナーさんが「スロープの家に引っ越してきて1週間くらいは、脛と脹脛の筋肉痛があります。でも自然に鍛えられている感じがわかります。」と口を揃えておっしゃいます。

このことは、スロープを上り下りするだけで第二の心臓と呼ばれる脹脛(ふくらはぎ)の筋肉が鍛えられることの証ですので、人の健康維持のためにも効果的な装置のようです。

 

スロープを取り入れたペット共生住宅のデザインのポイントは、ペットが安全に移動できるように、スロープに手すりを設けることや、スロープの傾斜角度を適切に調整することが挙げられます。

また、スロープの素材やデザインにもこだわることで、ペット共生住宅のデザイン性を高めることができます。

スロープは、ペット共生住宅の魅力的なデザイン要素となるだけでなく、ペットと飼い主の暮らしをより快適にするために不可欠なアイテムです。

 

 

スロープを取り入れたペット共生住宅の事例

犬と暮らす家 スロープの家・卍11 中庭

スロープを使った住まいの特徴は、ペットが自由自在に移動できるだけでなく、健康的な運動をすることができることです。

また、スロープを上り下りすることで、ペットの筋力やバランス感覚が向上し、健康面でもメリットがあります。

さらに、スロープを取り入れた住まいは、ペットと飼い主のコミュニケーションを深めることができ、ペット共生住宅の魅力を高めることができます。

 

プランのバリエーション

敷地や周辺環境によって、スロープの家のバリエーションはさらに多様化します。

 

バリエーション1

1/8勾配のスロープとショートカットの緩勾配の階段を用意したプラン

スロープの家・プラン1

 

バリエーション2

1/8勾配のスロープとショートカットの階段を用意したプラン

 

スロープの家・プラン2

 

バリエーション3

敷地の段差を生かした外部スロープに加え、1/8勾配のスロープと緩勾配階段を併用したプラン

 

スロープの家・プラン3

 

バリエーション4

1/8勾配のスロープとショートカットの緩勾配階段を用意したプラン

 

スロープの家・プラン4

 

バリエーション5

1/8勾配のスロープとショートカットの緩勾配階段を用意したプラン

スロープの家・プラン5

 

参考事例:内部サイト

スロープの家

スロープの家・SPIRALCOURAT

スロープの家・卍

スロープの家・CUBE

 

参考記事:外部サイト

スロープの家(愛犬家住宅)誕生秘話

スロープの家「土地探しからのサポート」

スロープの家・愛犬家住宅では床材選びが大切です!

スロープの家(愛犬家住宅)は健康増進住宅

スロープの家(愛犬・愛猫家住宅)はコミニュケーションの場所づくり

 

 

 

スロープを使ったペット共生住宅の注意点

スロープを使ったペット共生住宅を設計・建築する場合、注意すべき点がいくつかあります。

まず、スロープを設置する場所は、ペットが自由に移動できるように、必要な場所に設置することが大切です。

例えば、高さのある段差がある場所や、家の中でペットがよく移動する場所などです。

ただし、スロープが設置されていると、ペットが自由に動ける範囲が広がるため、意図しないところに入り込んでしまうことがあるため、注意が必要です。

 

また、スロープの角度にも注意が必要です。

ペットが安全に登れる角度は、おおよそ20〜30度程度です。スロープの角度が急すぎると、ペットが登るのに苦労したり、落ちたりすることがあるため、設計段階で注意が必要です。

これらは一般的な考え方ですが、実際に設計して望ましいのは1/8〜1/12の勾配です。「階段に代わる斜路」としては建築基準法で1/8と定められているので、これは遵守しましょう。

もちろん、別に建築基準法を満たした階段が用意されているのでしたら、この基準は適応されません。

 

さらに、スロープに滑り止めを施すことで、ペットが滑って転んでしまうリスクを減らすことができます。滑り止め材は、カーペットタイルやラバーマットなどを利用することができます。

 

スロープの設置に必要な条件と注意点

スロープを設置するためには、ある程度のスペースが必要となります。

設置する場所には、ペットがスムーズに通れるスペースがあるかどうかを確認しましょう。

また、スロープの長さもペットの体型や年齢、健康状態によって異なりますので、設計段階で十分に検討する必要があります。

また、スロープはペットの移動に便利なだけでなく、人間が転倒しないように注意することも重要です。

スロープを利用する人が多い場合は、手すりを設置するなど、安全対策を施す必要があります。

 

スロープを使った住まいの維持管理のポイント

スロープを使った住まいは、スロープの設置場所によっては、通常の住宅よりも維持管理に注意が必要です。

スロープは、ペットが多く利用するため、汚れや傷みが発生することがあります。

スロープの設置には、以下のような注意点があります。

 

まず、スロープの設置場所や角度については、ペットの体型や年齢に合わせて慎重に決める必要があります。

例えば、高齢の犬や猫は膝や腰に負担がかかりやすく、急な角度のスロープでは上り下りが困難になる場合があります。

また、小型犬や猫の場合はスロープの高さや幅が大きすぎると怖がって利用しない場合があるため、ペットの体型や性格に合わせた設計が必要です。

 

さらに、スロープの素材や滑り止めの取り付けにも注意が必要です。

スロープには滑りやすい素材を選ばないようにし、必要に応じて滑り止めを取り付けることでペットの安全性を確保します。

また、スロープの下部にはクッション材を敷いたり、落下防止のためのバリケードを設置することも有効です。

 

最後に、スロープの維持管理にも注意が必要です。スロープは汚れやすく、滑りやすい状態になるとペットがけがをする可能性があります。

定期的な清掃や、滑り止めの効果が落ちていないかの点検など、適切なメンテナンスを行うことが大切です。

犬と暮らす家 スロープの家・卍20 中庭

 

 

スロープを取り入れたペット共生住宅の建築プロセス

 

スロープを取り入れたペット共生住宅を建てる際には、以下のような建築プロセスがあります。

計画段階

まず、ペット共生住宅を建てる前に、どのようなスロープを使い、どこに配置するかを計画します。ペットの大きさや種類によって、スロープの傾斜や幅、高さ、形状に違いがあるため、ペットの状況を考慮した計画が必要です。

 

設計段階

計画が立てられたら、建築家や設計者によってスロープを取り入れたペット共生住宅の設計が行われます。この際、スロープの形状や角度、高さ、幅、材質などが決まります。

 

施工段階

設計が決定したら、実際の施工が始まります。スロープの設置場所に合わせて、建物の骨組みを作り、スロープの形状に合わせた壁や床を作っていきます。スロープ本体は、コンクリートや木材、鉄骨など、使用する材料によって異なります。

 

完成・引き渡し

スロープを取り入れたペット共生住宅が完成したら、施主に引き渡されます。引き渡し前には、動物の安全性や快適性を確保するために、ペット共生住宅の設備や機能の確認が必要です。

 

 

スロープを使った住まいの施工と費用の目安

スロープを使った住まいを建てる場合、スロープの設置場所や形状、材質、施工方法によって、費用が異なります。

一般的に、スロープを取り入れたペット共生住宅の建設にかかる費用は、普通の住宅と比べてやや高めになる傾向があります。

 

具体的には、以下のような要因が関係してきます。

スロープの長さや角度

弊社では一般的に1/8の勾配を採用していますが、スロープの長さが長いほど施工費用が高くなる傾向があります。
1/8勾配は電動車椅子や掃除機ロボットも昇降できる勾配なのでオススメの勾配です。
理想的には1/12程度なのですが、その場合は長さが1.5倍必要になるので、建築費と土地代がアップする傾向にあります。

 

スロープの材質

スロープに使用する材質によって、費用が異なる要因として、スロープの長さや高低差、材料の種類やデザイン性などが挙げられます。

スロープには勾配、踊り場広さ、幅員、程よいグリップ感等を犬種や生活スタイルに応じて調整が必要なので、専門の建築家に相談することが大切です。

 

スロープを取り入れたペット共生住宅は、建築や維持管理に多少の手間とコストがかかるものの、ペットとの快適な共生生活を送るために必要な要素と言えます。

 

 

まとめ

スロープの家 犬と暮らす家

ペット共生住宅は、ペットと一緒に快適に暮らすための住まいです。

以下に、ペット共生住宅の基本的なポイント、スロープを取り入れたペット共生住宅のメリットと注意点、そして、ペット共生住宅の未来と展望についてまとめます。

 

ペット共生住宅の基本的なポイントのまとめ

・ペットが安全に過ごせるような住環境を整えることが重要です。

・ペットにとってストレスを感じないように、居心地の良い空間を提供することが大切です。

・ペットが傷つく可能性のある場所には手すりなどの安全装置を設置しましょう。

・ペットの行動パターンや好みに合わせて住空間をカスタマイズし、ペットとのコミュニケーションを大切にしましょう。

 

スロープを取り入れたペット共生住宅のメリットと注意点のまとめ

・スロープはペットが自由自在に動けるようにし、ペットの健康維持に役立ちます。

・スロープを取り入れることで、ペットが住空間を活用する範囲が広がり、ストレスを感じにくくなります。

・スロープの設置には、ペットの種類や年齢、体型、病歴などを考慮して、適切な勾配や幅を設定することが必要です。

・スロープの設置によって、住空間のレイアウトや通路の幅などを考慮する必要があります。

 

ペット共生住宅の未来と展望

・ペットの家族化に伴い、ペット共生住宅が今後ますます注目されることが予想されます。

・ペット共生住宅のデザインは、今後より一層ペットの利便性や安全性を考慮したものになっていくでしょう。

・スマートホーム技術の発展により、ペットとのコミュニケーションや健康管理がより簡単になり、ペット共生住宅の進化が進むと予想されます。

 

以上が、ペット共生住宅についてのまとめです。

ペットとの共生を考える上で、参考になる情報を提供できたら大変嬉しく思います。

ペット共生住宅は、ペットとの暮らしをより豊かにするために注目されているテーマであり、今後もますます需要が高まることが予想されます。

この記事が、ペットとの共生を考える方々にとって役立つ情報源となり、より快適な暮らしを実現する一助となれば幸いです。

 

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

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前田 敦の専門性について

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