家づくりの基礎知識(住宅の間取りの基本と種類)

住宅を建てる際には、まず間取りを考えることが必要です。

間取りとは、部屋の配置や面積、機能などを決めた図面のことです。間取りによって、生活スタイルやライフスタイルを大きく左右されるため、慎重に考える必要があります。

この記事では、まず間取りの基本について説明します。

そして、住宅によって異なる間取りの種類について紹介します。アパートやマンション、一戸建てなど、住宅プランによって異なる間取りがありますので、わかりやすく解説していきます。

また、各部屋ごとに配置や機能についても紹介します。リビングやキッチン、ベッドルームなど、それぞれの部屋での暮らし方や機能についても解説します。

加えて、バリアフリーに関する情報も盛り込みます。高齢者や身体障害者の方にも快適に暮らせるよう、車いすでの移動がしやすい設計や必要な設備についても解説します。

最後に、まとめと注意点やポイントについても説明します。

この記事を通じて、間取りについての基本的な知識を身につけ、自分に合った間取りを選ぶ際に必要なポイントを抑えることができるようになることを目指します。

 

間取りの基本と種類

間取りとは、住宅における部屋の配置や広さ、機能などを示した図面のことです。住宅を建てる際には、まず間取りを考えることが必要です。間取りは、家族構成やライフスタイル、好みなどによって大きく変わってきます。

住宅の間取りには、大きく分けて以下のような種類があります。

1K1DK1LDK

2K2DK2LDK

3K3DK3LDK

4K4DK4LDK

数字は、部屋数を示しています。Kはキッチン、Dはダイニング、Lはリビングを表しています。例えば、1LDKとは、リビング・ダイニング・キッチンと寝室が1つある間取りのことです。

また、これらの間取りに加えて、オープンキッチンや和室を取り入れた間取り、ロフトやアトリエスペースを備えた間取りなど、多様な種類が存在します。

リビング、キッチン、ベッドルームなどの部屋ごとの紹介

それぞれの部屋の機能や配置について解説していきます。

・リビング

リビングは、家族が集まる場所であり、ソファーやテレビ、ダイニングテーブルなどが置かれます。リビングには、広さや形状によって適した家具の配置があります。

・キッチン

キッチンは、食事を作るための場所です。キッチンは、オープンキッチンや対面式キッチンなど、様々なタイプがあります。オープンキッチンは、リビングと一体化しているため、空間を広く感じることができます。一方、対面式キッチンは、カウンターを設けることで、リビングとのつながりを保ちながら、スペースを区切ることができます。

・ベッドルーム

ベッドルームは、寝室のことです。ベッドを置くためのスペースや収納スペース、窓の大きさなどが重要なポイントになります。また、家族構成やライフスタイルによって、ベッドルームの数や配置も変わってきます。

・子ども部屋

子ども部屋は、子供が寝泊まりするための部屋です。ベッドやデスク、収納スペースなどが必要です。また、子供が自由に遊べるスペースを確保することも重要です。

・書斎

書斎は、仕事や勉強をするための部屋です。机や本棚、椅子などが必要です。また、静かで集中できる空間を確保することが大切です。

・洗面所

洗面所は、手洗いや歯磨きなどの身だしなみを整えるための場所です。洗面台や収納スペース、鏡などが必要です。また、トイレと併設されている場合が多いため、便利な配置を考えることが大切です。

・トイレ

トイレは、排泄のための場所です。トイレの位置や間取りは、水回りの配置や配管などによって決まることが多いです。しかし、広さや収納スペースなども重要なポイントになります。

・まとめ

間取りは、住宅における重要な要素の一つです。家族構成やライフスタイルに合わせて、適した間取りを考えることが大切です。

また、アパートやマンション、一戸建てなどの住宅プランによって、間取りに差異があることも覚えておきましょう。

各部屋の機能や配置についても理解しておくと、より快適な住まいを実現することができます。

 

1)リビング

リビングは、家族がくつろいだり、来客をもてなしたりするための部屋です。家庭内で最も利用頻度が高い場所の一つであり、広さや配置、家具の配置などによって、生活の質が大きく変わってきます。

・広さ

リビングの広さは、家族の人数や家具の量によって異なります。リビングに置くソファやテーブルのサイズに合わせて、十分なスペースを確保することが大切です。

・配置

リビングの配置によって、空間の使い方が変わってきます。例えば、ソファやテーブルを壁に向けて配置すると、部屋を広く見せることができます。また、リビングとダイニングを一緒にすることで、家族のコミュニケーションが活発になる効果もあります。

・家具の配置

リビングには、ソファやテーブル、テレビなどの家具が必要です。家具の配置は、広さや形状に合わせて慎重に考える必要があります。また、収納スペースを設けることで、生活感を減らすことができます。

 

2)キッチン

キッチンは、料理をするための場所です。料理のしやすさや、収納スペースの確保が重要なポイントになります。

・広さ

キッチンの広さは、家族の人数や料理の頻度によって異なります。料理をする際には、広いスペースを確保することが必要です。また、収納スペースを確保するために、キッチンアイランドを設置することもあります。

・配置

キッチンの配置によって、作業効率が変わってきます。例えば、シンクとコンロを近くに配置することで、作業効率が上がります。また、キッチンとリビングを一緒にすることで、家族のコミュニケーションが活発になる効果もあります。

・収納スペース

キッチンには、調理器具や食器などを収納するスペースが必要です。収納スペースを確保することで、作業効率を上げることができます。収納スペースの種類には、キッチンカウンターや吊り戸棚、引き出し式のキャビネットなどで購入できるパーツもありますので、キッチンを設計する前に、どのような収納スペースが必要かを考えておくことが大切です。

 

3)ベッドルーム

ベッドルームは、睡眠をとるための場所です。リラックスできる空間を作ることが大切です。

・広さ

ベッドルームの広さは、ベッドのサイズや収納スペースによって異なります。十分なスペースを確保することで、リラックスした空間を作ることができます。

・配置

ベッドルームの配置によって、空間の使い方が変わってきます。例えば、ベッドを壁に向けて配置することで、部屋を広く見せることができます。また、収納スペースを設けることで、生活感を減らすことができます。

・収納スペース

ベッドルームには、衣類や小物などを収納するスペースが必要です。収納スペースの種類には、クローゼットやタンス、引き出し式のベッドなどがあります。自分の持ち物に合わせて、収納スペースを選ぶことが大切です。

 

4)収納スペース

収納スペースは、家庭内で生活感を減らすために欠かせない要素です。家具を配置する前に、収納スペースの種類や配置を検討することが大切です。

・クローゼット

クローゼットは、衣類を収納するためのスペースです。種類には、洋服用クローゼットや靴用クローゼットなどがあります。クローゼットの種類や大きさは、自分の持ち物に合わせて選ぶことが大切です。

 

・パントリー

パントリーは、食品や調理器具を収納するためのスペースです。食品の保存期間や調理器具の種類によって、収納スペースの大きさや配置を考える必要があります。

 

5)書棚

書棚は、本や雑誌などを収納するためのスペースです。

種類には、壁面に設置するタイプや、可動式のタイプなどがあります。

書棚を設置する場所や大きさは、自分の読書量や持ち物に合わせて決めることができます。

また、書棚は、書籍以外にも雑貨や飾り棚としても活用できるため、自分の好みやライフスタイルに合わせてインテリアの一部として取り入れることもできます。

その他にも、クローゼットや書棚以外にも、玄関やベランダに靴箱や物置スペース、屋外にはガーデニング用具を収納する小屋など、さまざまな収納スペースがあります。これらの収納スペースをうまく活用することで、家の中がスッキリと整い、快適な暮らしを実現することができます。

 

以上が、住宅の間取りに関する基本的な知識や種類、部屋ごとの配置や機能、そして収納関連ワードについての解説です。

自分に合った住まいを選ぶためには、自分のライフスタイルや好み、将来の生活プランなどを考慮しながら、間取りや収納スペースに注目して、じっくりと比較検討することが大切です。

コロナ感染拡大時には、テレワークという新しいライフスタイルも加わり、家庭内でのワークスペースとして書斎の意味づけに変化が生じてきたようです。

 

※参考事例:ワークスペースのある家1

※参考事例:ワークスペースのある家2

 

バリアフリーに関すること

住宅において、バリアフリーとは、身体的な障がいを持つ人や高齢者にとって、建物内外の移動や生活がしやすいように設計された仕組みのことを指します。

バリアフリーの取り組みは、建物や住宅においてますます重要視されるようになっています。

以下では、バリアフリーに関する情報や、高齢者や身体障害者のための設備について詳しく解説します。

 

まず、バリアフリーにおける重要なポイントの一つが、車いすでの移動がしやすい設計です。

車いすの人が自由に移動できるようにするには、段差や障害物を取り除き、平坦で滑らかな床を設置することが必要です。

また、ドアや廊下の幅を広くすることも大切です。通常のドアは、80cm程度の幅がありますが、バリアフリーのドアは、90cm以上の幅が確保されていることが多いです。

車いすの人が室内に入ったり出たりしやすくするために、ドアノブを大きくしたり、開け閉めしやすいレバー式に変更することも有効です。

 

さらに、高齢者や身体障害者のためには、手すりや手摺の設置も欠かせません。

特に、浴室やトイレなどの水まわりは、滑りやすく、転倒しやすい場所でもあります。

そこで、手すりや手摺を設置することで、安定した立ち上がりや移動が可能になります。

また、浴室にはバリアフリー用のスロープを設置したり、浴槽に手すりを付けることで、入浴時の移動がしやすくなります。

 

さらに、高齢者や身体障害者のためには、エレベーターやスロープの設置も必要です。

階段は、高齢者や身体障害者にとっては足腰に負担がかかります。

そのため、建物にエレベーターを設置することで、上下階への移動がスムーズになります。

また、スロープを設置することで、車いすの人も安心して建物内を移動できるようになります。

 

以上が、住宅の間取りに関する基本的な情報と種類、そしてバリアフリーについての情報です。

住宅は、一生に一度の大きな買い物であり、長期間住む場所です。

そのため、自分自身や家族に合った間取りを選ぶことが大切です。

また、バリアフリーに関しては、今後のライフスタイルの変化や、訪れるゲストにも配慮することが必要です。

最後に、間取りの選び方については、自分たちのライフスタイルに合ったものを選ぶことが重要です。

また、住宅に関する情報は、専門家に相談することでより正確かつ実用的なアドバイスを受けることができます。

どのような住宅にするかは、将来の生活や家族の成長にも関わってくる重要な決定です。

 

犬と暮らす家 スロープの家・SPIRAL COURT06

 

 

注意点やポイント

間取りの作成や住宅を選ぶ際には、以下のような注意点やポイントがあります。

予算の設定

住宅を購入する際には、まず予算を設定しましょう。間取りや設備、広さなどによって価格が異なるため、予算内でどのような住宅を選ぶかを考えることが重要です。

住宅の用途を考える

住宅の用途によって間取りが異なる場合があります。例えば、一人暮らしの場合は、広すぎない1K1DKが適しています。また、ファミリー向けの場合は、子供部屋が必要になるため、2LDK3LDKが適している場合があります。

日当たりや風通しを考慮する

住宅を選ぶ際には、日当たりや風通しなども考慮しましょう。南向きの部屋は日当たりが良く、風通しも良いため、快適な生活ができます。一方、北向きの部屋は日当たりが悪いため、寒さが感じられることがあります。

防犯対策を考える

住宅を選ぶ際には、防犯対策も重要なポイントの1つです。セキュリティ面が充実している物件を選ぶことで、安心して生活できます。また、外からの視線を遮るためのカーテンやブラインドを設置することも防犯対策の1つとして考慮しましょう。

リフォームの余地を考える

住宅を選ぶ際には、将来的にリフォームをすることを考慮して、余地がある物件を選ぶことがおすすめです。例えば、部屋数が多すぎる場合は、仕切りを取り払って広々としたリビングにすることができます。また、壁の色を変えたり、フローリングを張り替えるなど、自分好みにカスタマイズすることも可能です。

 

家相や風水も間取りに影響を与える考え方なので、何を最優先するのかを検討しましょう。

以上が、住宅を選ぶ際の注意点やポイントです。

これらを踏まえて、自分に合った間取りや住宅を選ぶことが大切ですが、
平面的な構成だけを考えるのではなく、周辺環境との関係、立体的な工夫、空間の広がり演出等のいろんな知恵を組み合わせて、住み心地の良い間取りを構成するには建築家の技を是非とも活用してください。

 

※参考記事:家相と間取り

 

※参考記事:心地よい木に囲まれた吹き抜けのある家

著者情報

前田 敦 / atsushi-maeda

前田 敦 / atsushi-maeda

犬と猫と快適に暮らせる社会の実現を目指して、ペット共生住宅に特化した設計活動を行っている建築家
設計作品の中でも特に注目すべきは、ペットがストレスなく自由に走り回れることを重視して設計した「スロープの家」シリーズです。これまでの住宅設計にはない新しい発想から生まれたもので、独創的なコンセプトと緻密な設計が注目を浴び、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞といったさまざまなメディアで紹介されています。

FacebookInstagram

前田 敦の専門性について

執筆・監修・報道・取材