家に住まう「引渡し、そしてその後」
家に住まう「生活開始」
工務店から建物を引き渡しを受け、引越を住ませて、諸手続きを済ませ、いよいよ新しい生活のスタートです♪
建築という行為での家づくりはひとまず完成したところですが、これからが家づくりのスタートではないかと考えます。
家とは物理的には生活の容器のようなものかもしれませんが、
そこで生活を繰り広げる中で、生活スタイルに変化が生じてきます。
小さかった子供さん達はスクスクと成長し、その多くは巣立って行くことでしょう。
また、自分たちも歳を重ね、退職し、家での生活が激変します。
体も不自由になって、簡単に昇降していた階段が負担になってきたりします。
そうなることをある程度は想定しておいた家であれば、
簡単な改造でそれらの変化に対応することができます。
備えあれば憂い無し!
家に住まう「一年検査」
住み始めて気付くことは多々あります。
あっ こうしておけば良かった!とか 思った以上に風が抜けて気持ちいいな♪とか
感じ方はいろいろです。
建築という行為は、工業製品ではなく、工業製品を使いつつも実は手造りのものです。
築後1年という時間を経ることで、四季を通じて変化する気象条件を体験して不具合が見つかることがあります。
そこで、設計者、工務店を交えて1年点検を行います。(※2年点検も行う場合もあります。)
屋根、天井、壁、床、の状態の確認、扉や窓の開閉、設備機器の状態などをチェックして
不具合があれば手直し工事を行います。
通常、この工事は建て主さんの負担はありません。
※生活が始まると、家に息吹が感じられます♪(土間のある家)
家に住まう「5年点検」
まだ5年しか経ってないのに?
そう思われる方が多いと思います。
しかし、5年に一度くらいの定期点検をお勧めします。
特に風雨に晒されているいる箇所(屋根、外壁、サッシ廻り、手摺、ウッドデッキ等)
水廻りとその周囲の床下は必須
海の近くでしたら塗装部分
湿気の多い場所でしたら床下・天井裏等は念入りにチェックしましょう。
高温多湿な我が国です。
最近では特にゲリラ豪雨、大雪、季節外れの突然の雹など
過去の経験では計り知れない自然環境の変化がみられますので、
大切な住宅と永く付き合うには定期的に点検を怠らないようにしましょう!
家に住まう「10年点検」
瑕疵担保保証が適応されています。
これは、築年数が10年以内の住宅の基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)に欠陥や瑕疵がみつかれば、住宅を造った建築業者や住宅を販売した不動産業者が無料で補修しなければならないという法律です。
したがって、この瑕疵担保期間が過ぎる前に家全体のチェックをすることが必要です。
また10年という期間は永いもので、
建設当時まだ小学生だったお子さんがもう大学生?社会人?
成長されている姿に驚くほどです。
つまり家族のライフスタイルに変化が出始める頃でもあるので、
今後の住まい方を検討する時期でもあります。
家に住まう「15年点検」
特に設備関係が寿命を迎える頃です。
配管はもちろん、設備機器そのものが劣化したり故障したりする時期です。
そうなると大規模な設備工事が必要になってくるだけでなく、
ライフスタイルの変化によりプラン的にも改造等が必要になってくる時期です。
実はこの時期こそ、リフォームの最適期なのです!
補修や新しい設備機器の導入だけではなく
今後のライフプランをイメージしながら建築家に相談してください。
子育てから開放され、趣味やSOHOを中心にした住まい方、
あるいは家族構成の変化やペット共生
体の不具合等がある場合はそれに対応した計画を盛り込んで行く時だと思います。
家に住まう「25年点検」
四半世紀という永い時が経っています。
メンテナンスフリーの建材と云えど、劣化は免れません
設備機器などは2度目の取替も必要になってくる時期でもあります。
同居する家族にも構成や住まい方に変化が生じてきていることでしょう
この時期になると、メンテナンスもかなり大掛かりなものになってきて
リフォームや建替えをいう話が持ち上がることもあるでしょう
ちなみにこの家では、2世帯住宅への改築ということになり
全面リフォームをおこなうことになりました。
劣化状況やライフスタイルの変化の状況にもよりますが
一般的にはリフォームの方が新築より安価にできます。
しっかりした構造体で組み立て、断熱や通気も高性能な仕様となっている場合
新築時には少し割高ですが、この時期においては改築度合いが小さく済むので出費も少なくなります。
リフォームする際には建築士のしっかりしたチェックを受けながら
最善の道を探っていくことが大切です。
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